ステンレス加工の職人会社
谷津テックス株式会社
YATSU TECS INC

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□■□ ステンレス鋼資料(基礎・性質腐食) □■□ <−戻る

◆ Stainless Steel の語源
Stain- less Steel  
しみ/汚れ/錆 〜のない/より少ない
◆ JIS記号は「SUS」
  SUSは、Steel Use Stainless の頭文字  
 人類は5,000年ほど前から鉄と付き合いがありますが、鉄の「さび」との闘いでできたのが、ステンレス鋼です。
 1913年はクロム合金が発明され、鉄鋼生産に大きな革命をもたらした記録すべき年です。
 当時、世界の多くの研究者は、鉄とは異なる合金の発明に取り組んでいました。
 イギリスのベレアリ−氏はクロムを増すことによって銃弾用の樽に使用されている鉄の改良に努めていましたが、
12% のクロム含有量で鉄は酸腐食に耐えることを発見しました。
 ステンレス鋼 (stainless steel) の言葉は、当初新しいメタルから作られた料理用ナイフを説明するために使用され
たものと言われていますが、現在は、「さびにくい鋼」のことを指しています。
 ステンレス鋼は含有する化学成分で、Cr系ステンレスとCr-Ni 系ステンレスに大別され、1920年代末にCrを含有
しNiを含まないマルテンサイト系 (Cr13〜18% )とCr、Niを添加したオ−ステナイト系(Cr18,Ni8%,以来 18-8/現在の
SUS304) 、1940年代に入り析出硬化系、ついで二相系ステンレス鋼が開発されました。
 日本では1918年頃からステンレス鋼の研究がはじまり、13Crステンレス鋼が1920年に試作成功し、18-8鋼は19
34年に成功していましたが、用途的には軍事用途に限られていました。

ステンレス鋼の定義
 ステンレス鋼は、約11%以上のCrを含むFeベースの耐食性に優れる鋼の総称で、さらに耐食性や機械的性質を向上する
ために、NiやMoなどの合金元素が添加されています。
 表面に不動態皮膜(Cr2O3)と言われる保護性の強い皮膜が形成されています。この不動態皮膜は、非常に薄いFeとCrを
含む酸化物(水酸化物)であり、その膜厚は極めて薄く、1μの100分の1以下です。(たとえるならば、富士山の頂上に2ミリ
の膜が張ってあるようなものです)
 従って、機械的には、容易に破壊され、裸の金属が露出しますが、周りに酸素が有る限り酸素を取り込んで直ちに修復さ
れて、耐食性を保持します。

ステンレス鋼の性質
(1)物理的性質
 ステンレス鋼の比電気抵抗は、一般的にCrやNiの含有量が多い鋼種ほど大きくなる傾向があります。SUS304やSUS316の
オーステナイト系の比電気抵抗はフェライト系(SUS430)やマルテンサイト系(SUS410)のそれより若干大きい程度ですが、軟鋼
に比べると約3〜4倍、銅の約40倍と非常に大きくなります。
 このことは水道管や屋内配管が凍結して、電気解氷器を用いる場合にはステンレス鋼管は鋼管や銅管よりも短時間で解氷
が可能となり、非常に効率がよくなります。
 Cr系(SUS410やSUS430)ステンレス鋼は軟鋼と同じように強い磁性を持ち、磁石につきますが、オーステナイト系のステンレ
ス鋼は非磁性を示しますが、これは固溶化熱処理状態のことであり、冷間加工によって硬化している状態(きびしい曲げや、
絞り、打撃により、金属組織が変化します)では鋼種、加工度に応じて磁性を示すようになります。また、鋳物、溶接ビードなど
でフェライト相が存在すればその量に応じた磁性を示します。
 ステンレス鋼の比熱は軟鋼とほぼ同じですが、熱伝導率は軟鋼よりもかなり低いです。Cr系では軟鋼の約1/2ですが、SUS
304等のオーステナイト系では約1/3、銅の約1/24です。このためステンレス鋼の溶接に際しては熱が局部的に集中し、しかも
冷却速度が遅いので、歪みの発生に注意が必要です。対策としては、市販の冷却材を使用したり、溶接部の周囲や裏に銅板
などの熱伝導率の高い物をあてがうなどの方法があります。
 一方熱膨張係数は、Cr系は軟鋼とほぼ同じですが、オーステナイト系は軟鋼の約1.5倍で銅とほぼ同じです。このためステン
レス鋼管を溶接配管する場合、膨張、伸縮を十分に考慮することが必要です。たとえば1000mmの長さのパイプを100℃まで加
熱したとすると、オーステナイト系では1.8mmも伸びます。
(2)機械的性質
 Cr系(SUS430)の機械的性質は全般的な傾向として低炭素鋼に似ていて、SUS304をはじめとするCr・Ni系のステンレス鋼に
比較して耐力が強く引張り強さは逆に低い。また伸びも少なく約1/2程度です。これに対してCr・Ni系(SUS304)の場合は、引張
り強さは高いが耐力が低い。また伸び、衝撃値がきわめて大きく、靭性に飛んだ性質を持ち、SUS430より一般に成形性にすぐ
れています。
 このため板の圧延方向に関係なく、180度密着曲げをしても割れの心配はありません。
 一方、Cr・Ni系(SUS304)は軟鋼やCr系(SUS430)に比較して冷間加工による硬化性が著しいので、成形加工する際には、こ
の点を充分考慮する必要があります。これはCr・Ni系の常温における組織(オーステナイト組織)が冷間加工によるひずみとと
もに局部的にCr系の金属組織(マルテンサイト組織)に変態するために起こる硬化現象です。

腐食について
 ステンレス鋼の定義に記載しましたように、ステンレスの代表鋼種であるSUS304(18Cr-8Ni)などのステンレス鋼は表面の
不動態被膜により、腐食を発生させないようにしていますが、塩素イオンにて不動態被膜が破壊されると、孔食粒界腐食
応力腐食割れ・全面腐食などを起こします。
 それでは塩素イオンを含むものはというと、塩水、水道水、醤油、塩素系洗剤、時には地下水(微生物腐食を起こすことがある)などがあり、潮風にあたって腐食を起こすこともあります。
 純水などに使用した場合は問題がないのですが、これも100%塩素イオンが除去されていないと、腐食を誘発する可能性があります。
腐食を回避するには
 ステンレス鋼の耐食性は、基本的にはCrを含有することでありますが、Cr量を高くしたり、Mo、Cuなどを添加して、耐食性を
向上させることができます。海水など塩化物に対しては、合金元素として、Cr、Moを多く含むものほど耐食性が優れます。
(オーステナイト系の場合は、窒素も有効)また、硫酸などの酸に対しては、MoとCuの複合添加が有効です。
フロートに関して言えば、SUS316Lなどが腐食に対して効果的です。
東京都などに指定されているSUS329などは優れた鋼種ですが、市場流通性がよくありませんがフロートの製作はします。
タンクなどの容器の場合、液にいつも接しているところは問題がないのですが、液面から数ミリ上のところや、蓋の内側になると
ころなどは、腐食を発生させます。

「孔食」とは
 孔食は塩素イオンなどのハロゲンイオンに起因する不動態被膜破壊によって起きる局所的な腐食でピッティングともいいます。
常温においても塩素イオン濃度やその他の条件次第によっては起きることがあります。
 その他の条件としては、液組成、温度、pH、酸化作用、流速、付着物などがあげられます。温度は低い方が、pHは高い方が
安全の確立は高くなります。付着物は有害な要因で、付着物の下などに孔食が見られる場合があります。液の停滞も好ましくありません。
耐食性向上にはCr量を増加することが有効ですが、靭性が劣ってしまいます。Moの添加は効果的です。
孔食 ←孔食

「粒界腐食」とは
 結晶粒界(金属の結晶粒の境目)が選択的に腐食される現象です。これは粒界にCr炭化物が析出し、粒界近辺のCr量が
12%以下に減ってしまうことが原因ですが、オーステナイト系ステンレス鋼を450〜800℃の温度に長時間加熱したときに生じや
すくなります。
腐食の進行程度によっては結晶が欠け落ちたり、叩いても金属音がしなくなるなどの現象が見られます。
また、一見しただけでは異常はないが、曲げると割れが現れるので判る場合もあります。
 一般配管用ステンレス鋼管は薄肉なので溶接により加熱されても大気中で急冷されてしまうので、ほとんどCr炭化物は析出
しないため、粒界腐食の心配はありません。
粒界腐食 ←粒界腐食

「応力腐食割れ」とは
 塩素イオンの存在する環境で材料に引張応力(曲げ、絞り、ロール、溶接等の加工時に発生)が発生している場合に、材料に
局所的に割れが発生する腐食現象で、主にオーステナイト系ステンレス鋼に発生します。割れの種類は2種類あり、結晶粒内を
貫通して進行するものと、結晶粒界に沿って割れるものとあります。
配管溶接ではあまり割れが発生することがありませんが、保温材は塩素含有量の出来るだけ少ないグラスウール等の使用が
効果的です。
また、加工品が炉に入る大きさであれば、応力除去の熱処理が効果的です。
応力腐食割れ ←応力腐食割れ
画像及び技術資料は、日本ステンレス協会様より引用しています。

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